長崎県は魚種の豊富さ全国1位
実は、長崎県が魚種の豊富さは全国1位と言われているのはご存知でしょうか。
その秘密は、日本の最西端に位置し、三方を海で囲まれる長崎県の立地にあります。
世界最大級の海流である黒潮は、九州南西部で分岐して長崎沿岸を通ります。
また、東シナ海には世界有数の大陸棚が広がっており、魚のエサとなるプランクトンも豊富。
絶好の漁場を形成する環境が整っていることも、長崎の水産文化を大きく後押ししています。
外国人もうならせた!?
長崎海産物の実力。
江戸時代、長崎は貿易港として栄え、
外国から様々な文物が流入した地でした。
その拠点となったのが、出島と新地荷蔵。
そこは異文化にあふれ、驚きに満ちた空間でしたが、
ここから日本の素晴らしさを外国に示すものが輸出されました。
長崎自慢の海産物を俵に詰めた「俵物」と呼ばれる加工品もその一つで、
特に中華料理の高級食材として用いられていたと言われています。
キリシタンとお魚の意外な関係!?
2018年7月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されました。
長崎市にも「大浦天主堂」、「外海の出津集落」、「外海の大野集落」が構成資産としてありますが、キリシタンとお魚に関係があることをご存知でしたか?
実は、魚はキリスト教のシンボルの一つなのです。
「イエスキリスト 神の子 救い主」を表す
「ΙΗΣΟΥΣ ΧΡΙΣΤΟΣ ΘΕΟΥ ΥΙΟΣ ΣΩΤΗΡ」というギリシャ語。
この頭文字は「ΙΧΘΥΣ」となり「魚」を意味する単語だからだとか。
魚種の豊富さは、
長崎ゆかりの偉人も着目したほど。
全国有数の観光地であるグラバー園でおなじみの、
トーマス・B・グラバーを父に持つ倉場富三郎は、
長崎で水揚げされるたくさんの魚を見て、魚類図譜の編纂を思い立ったと言われています。
明治末期から昭和初期にかけて、約20年にわたり長崎在住の日本画家5人に描かせた図譜は、総数801枚に及ぶほどです。
国指定重要文化財旧グラバー住宅などがあるグラバー園。
そのような、人々の想いに着目しながら散策すると、また違った発見があるのかもしれません。